CFOは「上場の要件」ではない!?多くの会社が勘違いしている事実とは

目次

はじめに


「IPOするならCFOの採用から始めないと」と考えられている会社は多いと思います。
しかし、東証の求めるガバナンスにはCFO必須という要件の記載はありません。
では、なぜこのように実務上考えられていることが多いのでしょうか。
その点について、解説していきます。

※本投稿における『CFO』とは「ファイナンスや戦略部分に責任を持つ取締役or執行役員(以下、役員)」を指します。
CFOが管理部管掌を兼職し、ほかに管理部を管掌する役員がいない場合は、別になりますのでご注意ください。
なお、管理部の立ち上げに関するコラムはこちらをご参照ください。

この投稿のきっかけ


とある上場企業の社長とお話しさせていただいているときに、
「うちはCFOを採用していない。社長の私がCFO業務できるから別で採用するコストがもったいない。」
と言われたことがきっかけです。CFOの方と良く仕事をさせていただく私には衝撃の一言でした。
なお、前提としてこの会社は上場後も順調に利益成長していますし、
PERでも十分に高水準にあり資本市場でも評価されているといえる会社です。

たしかに、ファイナンスや会計の知識は誰でも学べるし、M&Aをするにしてもその時専門家を利用すればいい。
特殊なファイナンススキームを組む、会社としてメーカーなどキャッシュフローの予測が複雑である、といった場合でなければ、社長が対応することももちろんできる業務かもしれません。

上場会社で求められるガバナンスとは?


投稿のタイトルに記載した、「CFOが上場要件か?」に正面から回答すると、
既にお分かりかと思いますが、必須ではありません。
東証から求められるガバナンスとしては、大雑把に要約すると、
「代表権を持つ社長とは別の役員が管理部を管掌すること」が求められています。
つまり、ファイナンスを必ずしも管掌する必要はなく、経理や財務といったガバナンスが求められる内容については、
重要なので、代表取締役以外の役員を設置すればそれで要件は充足しているのです。

また、補足ですが、必ずしも管理部管掌の担当を会社法上の取締役にする必要はありません。
会社が小さいころからの生え抜きのために管理部担当役員が取締役に就任している会社もありますが、
上場のために入社した場合は執行役員程度で上場し、上場後にやっと取締役となることも多く見られます。

それではなぜ、多くの上場会社ではCFOを設置するのでしょうか。

CFOに求められる能力とは?


最近では、「グロース100億問題」もあり、CFOに求められる能力は非常に多岐に渡るようになりました。
元々は、銀行対応や投資家対応、及び資金繰り、経営計画策定などが求められる業務でしたが、
現在では当然のようにM&Aや組織再編に関する経験が求められます。

管理部長兼任のCFOですと、上記に加えて更に経理、財務、労務、法務といった知識まで求められます。
個人的な見解ですが、管理部長兼任ができるCFOは、営業職でいえばマーケ、インサイドセールス、フロント全て経験があり、そのうえで業界経験が長く商材に精通しており、かつ、自分に紐づく得意先が多くいるくらいの希少性だと思います。

先ほどご紹介した上場企業の社長は、IRやM&Aはご自身で対応しているようでした。
ここまで対応できるファイナンス能力は本当に素晴らしいと思います。
つまり、CFOが不要であるのは、ご自身(代表取締役)に一定のファイナンス能力があるからでした。

ここまでの結論として、IPOを目指すうえで、CFOは必須ではないという結論とはなりますが、
その分、代表取締役など他の役員の時間が割かれるのは間違いないです。
私の意見としては、「CFO(ファイナンスポジション)を所与として考えるのではなく、会社成長に必要な能力」として捉え、
IPO準備段階では社長が対応し、上場後の成長に必要であれば採用する戦略もありなのではないかと思います。

よく、証券会社の投資銀行部門やPEファンド出身などファイナンスに特化されたCFOが、
企業価値100億未満の会社で採用しているのを見かけますが、オーバースペックだと個人的には思います。
(このミスマッチの結果、多くの社長が「CFOの給与って高いよね」と愚痴をこぼされている結果に繋がっている。。。)
300億円程度を上回らないと、機関投資家は入ってこないため、主な投資家は個人投資家になります。
そうなると、機関投資家対応をしていた経歴の方がどこまで必要か、会社ごとにご検討いただければと思います。

この情報を持ったうえで採用の判断をしていただければ幸いです。

まとめ


今回はCFOの必要性についてお話ししました。
今回の投稿は当社の見解を多く含む内容であるため、一意見としてご理解いただけますと幸いです。

ただ、会社として正しい知識を持ったうえで、戦略的に採用をしないといけないということだけご理解頂けると幸いです。
多くのIPO準備会社で、入社後のスキルセットのミスマッチ、IPO準備業務への期待ギャップなどをお見受けしますので、
少しでもこういった事例が減ればうれしいです。

当社では、CFOを始めとしたバックオフィスの採用のミスマッチを防ぐためのコンサルティングも実施しております。
例えば、ペルソナの設定、履歴書などのチェック、面接の同席、オンボーディング設計など、幅広く対応しますので、ご興味ある会社様は以下よりお問い合わせ頂けると幸いです。

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