はじめに
「決算説明資料」とは、四半期を含む決算公表時において、短信と合わせて開示することが一般的な業績や事業の説明をする資料のことを言います。
HP等で見ることが出来、機関投資家、個人投資家どちらもに向けて作成することが多いです。
作成義務や要領はなく、各社が投資家に向けて自由に作成することが可能です。
今回のコラムでは一般的な構成要素についてお話ししたいと思います。
個人で投資される方も参考にしていただければ幸いです。
決算説明資料の構成要素
主に以下のような構成要素になります。②~④は順不同です。会社の好みで変わります。
①決算ハイライト
その期の決算が公表計画や前期等に比べて好調かどうか等を記載します。
②事業サマリー
会社の事業説明や、市場の状況、成長戦略などを記載します。
③PL・BS・KPIなどの定量情報
短信と内容は重複しますが、定量情報を記載します。また、それらの要因となった定性情報も説明します。
④計画進捗状況
当期、及び来期以降の計画達成に向けて進捗状況を示します。
⑤Appendix
SDGsへの取り組みや、PR情報などを記載したりします。正に「おまけ」ですね。
(とはいえ、最近はESG投資やサステナ開示などあるので、SDGsは含められたらGoodです!)
資料の作り方のポイント
決算説明資料に限らない資料作り共通のノウハウも多くございますが、私は以下を意識しています。
①読み手を意識する
「自社の株主は個人投資家が多いのか、機関投資家が多いのか?」や
「自社の株式市場における認知度は高いのか、低いのか?」などの視点からペルソナを設定しましょう。
これらの視点を失うと一気に読んでもらえる時間が減ってしまいます。
②全体のストーリー作り
私は次に「ペルソナに自社をアピールするなら?」を考えます。
いかに一つづつが優れたスライドでも、まとまりがなければ読んでもらえません。
③ワンスライド・ワンメッセージ
自社のことを理解していれば、多くのことをアピールしたくなります。
しかし、1枚のスライドには1つのメッセージに限定しましょう。
そうしないと伝わらない図を一生懸命作ったり、文字の多いスライドになって無駄になってしまいます。
④語り手を意識する
最後ですが、一番大事なことだと思います。
「経営陣はどう考えているか?」を投資家は知りたいです。
経営企画部の自分の視点も大事ですが、会社を一番理解している経営陣の意見を取り込んで作成したいですね。
それでは実践!といきたいところですが、冗長になってしまったので、今回はここまで。
次回より実践編として決算ハイライトから個別具体的なポイントを交えて解説していきます。
更新をお楽しみに!
さいごに
いかがでしたでしょうか。私が支援している中で気づいたのは、
「上場企業でも(特にグロース市場の会社の多くは)IR会社などに外注している」ということです。
成果に紐づいているかわからないため、社内でも取り組みにくいことは承知します。
が、業者が作ったスライドはわかりやすいですが、「熱意」を感じないです。
投資という重要な意思決定を動かすには「熱意」が不可欠だと思います。
AIも利用しながらも気持ちのこもった資料を作りたいですね。
そもそも任意の資料ですし、内製化しなければいけない訳ではないですが、
せっかく作るなら自社で取り組んでいきたいですね!
(当社はハンズオンで社員のように働きますので、熱量込めて作成することを約束します。)